オープンクエスチョンとクローズクエスチョン
家庭教師や親御さんが生徒の勉強を見る際、いつの間にか授業時間がオーバーしてしまったり、受験生のやる気が下がってしまったりしたことがあったと思います。
これらのやる気の低下や、授業進行の遅れは当然受験の合否にも深刻な影響が出てきます。
やる気が下がれば勉強への意欲は落ちますし、授業のスピードが遅くなれば受験本番までに単元全てをカバーしきれなくなってしまいます。
初めて家庭教師をした際、僕もこの“やりたいところまで授業ができない”ことが多く、授業を長引かせてしまうケースが多々ありました。
なんとか間に合わせようと努力しましたが、それでも最後の単元(空間図形)を完全に終わらせることができず、空間図形を諦めて、それ以外の総復習に時間を割く、という結果になってしまいました。
次の家庭教師先では、一層生徒とのコミュニケーションを重視して頻繁に質問を投げかけ、授業をしてきたつもりでした。しかし、上手く教えていたつもりでも、生徒のやる気はなかなか出てきませんでした。
これらのような予想外の授業延長を防ぎ、スムーズに授業を進めるには何が必要なのでしょうか?
また、どのように質問すれば生徒のやる気を上げることができるのでしょうか?
この記事では生徒のやる気や授業を円滑に進めるオープンクエスチョンとクローズクエスチョンについて解説していこうと思います。
受験生の思考力を鍛えるオープンクエスチョン

僕がお世話になっていた中学受験塾で、アルバイトとして研修を受けていた頃、はじめに教わったのがこの2つの質問方法でした。
オープンクエスチョンとは、思考を“オープン”にする質問、すなわち選択肢を無限に広げるような質問の仕方です。
“なぜそうだと思う?”“それはなんで?”“これはどうやって解けばいい?”
これらの質問は受け手に無限の解答権を与えます。そのため、生徒は自分の考えをめぐらせ、彼らなりの最適解を答えます。

この質問の仕方のいいところは生徒の思考を育てる点にあります。自分なりに根拠を見つけて、考えて、予測し、結論を出すこの手の質問は実は難関入試でも頻繁に見られる傾向です。
難関校の記述問題(理科や社会)は思考の深さを問う問題が多いです。またそれだけでなく、算数の問題一つとってみても単元をまたいだ、一筋縄ではいかないような難問がずらりと並んでいます。
自分の持っている知識を総動員させて考えなければいけないので、日頃からこの特訓をすることで合格に必要な思考力を養うことができます。
受験生の定着度を確認するクローズクエスチョン

一方のクローズクエスチョンは思考を狭める質問です。
言い換えると、質問の返答が“はい”か“いいえ”で終わる質問のことです。
“これはこの公式だっけ?”““これはこうやるんだっけ?”という聞き方のように答えが“はい”か“いいえ”で限定されてしまいます。

この手の質問は無駄な授業時間の短縮や理解度を素早く確認するのに最適な質問です。
オープンクエスチョンほどの思考理解はありませんが、短い時間で理解度を測ることができるので弱点を見つけるのにうってつけの質問方法です。
2つの質問をどう使い分けるか?
ここまで2つの質問方法について調べてきました。
授業進行が遅れてしまうのはこのオープンクエスチョンを不必要なところで多用しすぎているからではないでしょうか?
オープンクエスチョンに偏りすぎてしまうと、一人の生徒の返答の時間が増えてしまい、時間のロスや、授業スピードの低下につながってしまいます。
集団授業であればなおさらです。頻繁にやってしまうと、周りの受験生は授業がストップしてしまうので、集中力が持続しなくなってしまいます。
この2つを質問を僕は次のように使い分けています。
オープンクエスチョン・・・新たな単元や雑学、好奇心をそそらせるような時。
クローズクエスチョン・・・既存の内容の復習、授業終了まで時間がない時。
新たな単元を教える時、初めから選択肢を狭めてしまうようなクローズクエスチョンは向いていません。
例えば、図形を習い始めた学生に台形の面積を教えたいとします。
“これも四角形の公式だよね?”“台形を2つ組み合わせると四角形になるよね?”とクローズクエスチョンで聞いてしまうと、
生徒は“あ、そうなんだ。台形はそうやって求めるんだ。”
と公式の過程を考えず、思考しなくなってしまいます。

しかし台形の求め方はそれだけではありません。補助線を引いて台形を三角形2つと四角形として計算したり、

補助線で作った大きい四角形から三角形を引くやり方もあります。

一方的なクローズクエスチョンは生徒に考える時間を与えず、ただただ事実を教えるだけの作業になってしまうので生徒は授業を楽しもうとしなくなってしまいます。
先生も授業時間内で終わらせないといけないのでしょうがないときもありますが、この2種類の質問をうまく使い分けることができれば、授業時間や生徒のやる気を改善できると思います。
まとめ
このように、初めからクローズクエスチョンで聞いてしまうと受験生は入試で必要な、思考力を問われる問題に弱くなってしまいます。
またクローズクエスチョンを多用すると、生徒は授業を一方的に感じ始め、やる気を低下させてしまいます。
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一方で、オープンクエスチョンに偏りすぎると集団授業では効率が悪く、時間もかかり過ぎてしまいます。
復習をするときにはクローズクエスチョンで、逆にやる気を引き出すような、思考力を問う時はオープンクエスチョンで生徒のやる気を引き出すようにしていきましょう。
