解答
①体積:135.02㎤
表面積:131.88㎠
②体積:37.68㎤
表面積:75.36㎠
③体積:2537.12㎤
表面積:1582.56㎠
解説を見てみよう!
STEP1:円柱2つが重なった立体の体積と表面積を求めよう
まずは①の問題から解いていきましょう。
基本的に体積や表面積の問題を求めるとき、かんたんに求められるのは体積です。
なので体積から計算していきます!!
STEP1.1:円柱を部分と部分に分けて体積を求めよう
「全体を部分と部分に分けて」考えると円柱2つの体積の合計を求めればいいことがわかります。
上の円柱:3cm×3cm×3.14×3cm=27×3.14
下の円柱:4cm×4cm×3.14×1cm=16×3.14
よってこの円柱2つの体積の合計は、
27×3.14+16×3.14
=(27+16)×3.14
=43×3.14
=135.02㎤となりました!
3.14の計算は最後にまとめてやるのがポイントだったね!!
プチ復習:3.14の計算のまとめ方!!
STEP1.2:立体図形の上の面と下の面の面積を求めよう
次に表面積を求めましょう。
表面積全体も部分と部分に分けると、上の面+下の面+側面となります。
ここではまず上の面+下の面を計算します。
ポイントになるのが「同じところを見つける、作る」考え方です。
上の面の円とドーナツの形の図形は足すと、下の青い円と同じ面積になるのがわかると思います。
なので、上の面+下の面=青い円2つになるので、
上の面+下の面
=4cm×4cm×3.14×2
=16×3.14
となりました!!
ここから側面積を求めていきましょう!
STEP1.3:立体図形の側面積を求めよう
次に側面積を求めていきましょう。
側面積は展開図を書いて考えると計算しやすかったですよね。
なのでそれぞれの円柱を展開して考えていきます。
側面積はたて3cm、横が半径3cmの円周なので、
側面積:3cm×3cm×2×3.14=18×3.14
側面積はたて1cm、横が半径4cmの円周なので、
側面積:1cm×4cm×2×3.14=8×3.14
よって合計の面積は
18×3.14+8×3.14
=(18+8)×3.14
=26×3.14
になりました。
これらの面積を求めて答えを出しましょう。
STEP1.4:表面積を合計して計算しよう
STEP1.2で、上の面+下の面=16×3.14と計算し、
STEP1.3では側面積+側面積=26×3.14と計算しました。
よって求めたい表面積は、
16×3.14+26×3.14
=(16+26)×3.14
=42×3.14
=131.88㎠になりました!
STEP2:円すいの体積と表面積を求めよう
STEP2.1:円すいの体積から計算しよう
円すいの体積は、「半径×半径×3.14×高さ×1/3」なので、
よって体積は、
3cm×3cm×3.14×4cm×1/3
=12×3.14
=37.68㎤と計算できました。
STEP2.2:円すいの表面積を計算しよう
円すいの表面積は展開図に直して計算するとわかりやすいです。
円すいの展開図は、おうぎ形+円の形になりますのでそれぞれの面積を求めていきましょう。
おうぎ形の面積を求めるときにポイントになるのが中心角の考え方でした。
よって半径/母線=中心角/360°になるので、それをふまえて計算していきます。
おうぎ形:
5cm×5cm×3.14×中心角/360°
=5cm×5cm×3.14×半径/母線
=5cm×5cm×3.14×3/5
=15×3.14
円:
3cm×3cm×3.14
=9×3.14
なので求めたい円すいの表面積は、
おうぎ形+円
=15×3.14+9×3.14
=(15+9)×3.14
=24×3.14
=75.36㎠と計算できました。
STEP3:ドーナッツ型の図形の体積と表面積を求めよう
STEP3.1:ドーナッツ型の図形の体積は大きい円柱から小さい円柱を引いたもの
穴が空いているときの円柱の体積は、大きい円柱から小さい円柱を引くことで求めることができます。
これも「全体は部分と部分でできている」考え方になりますね!
さっそく計算していきましょう。
STEP3.2:大きい円柱から小さい円柱を引いて計算しよう
大きい円柱は半径10cm(6cm+4cm)で、高さが12cm。
小さい円柱は半径が4cmで、高さが同じく12cm。
よって大きい円柱–小さい円柱の体積は、
10cm×10cm×3.14×12cm–4cm×4cm×3.14×12cm
=1200×3.14-192×3.14
=(1200–192)×3.14
=808×3.14
=2537.12㎤になりました!
STEP3.3:上下の面と大きな側面を求めていこう
まずは上下の面の面積を求めましょう。
上の面
=10cm×10cm×3.14-4cm×4cm×3.14
=100×3.14-16×3.14
=(100-16)×3.14
=84×3.14
下の面も上の面と面積は同じなので、上下の面は
=84×3.14×2
=168×3.14になりました。
次に大きな円柱の側面積です。
展開図書いてみると、側面積はたて12cm、横が円周の長さになりますね。
よって面積は、
12cm×10cm×2×3.14=240×3.14になります。
STEP3.4:ドーナツの内側の側面積を求めよう
内側の側面積を計算せずに答えてしまう受験生がたくさんいます。
ここの部分を忘れずに計算してくださいね!!
側面積:半径4cm、高さ12cmの円柱の側面なので
=12cm×4cm×2×3.14
=96×3.14
になりました。
さあ!ここまで来ればあと少し。
それぞれの面積を合計して答えを出していきましょう〜!
STEP3.5:面積を合わせて表面積を求めよう
求めたい表面積は、上下の面+大きな側面+小さな側面なので、
=168×3.14+240×3.14+96×3.14
=(168+240+96)×3.14
=504×3.14
=1582.56㎠となりました!!
長かったですがこれでおしまいです!!!おつかれさまでした。
複雑な図形を一回転させてできる立体の体積と表面積を求める問題のまとめ
今回の問題で大事なポイント
- 平面図形から立体図形に変わるときの考え方(復習)
- 立体図形で大切な3つの言葉(復習)
- 見取り図:いつもよくみる図形、立体的に見える図形のこと
- 投影図:真上、正面から見たときに見える図形、平面に見える
- 展開図:立体を切って広げたときにできる図形、表面積、側面積を求めるときに便利!
- 「全体は部分と部分でできている」考え方
- 複雑な図形も分けて考えればむずかしくないはず!
- 「同じところを見つける作る」考え方
- 楽して表面積を求めよう
- 3.14の計算のまとめ方
- ×3.14を最後にまとめるようにしましょう
平面図形を一回転させた時の体積と表面積を求める問題は以上です。
今までで一番長い解説でしたが、きちんと理解できたでしょうか?
今回もかなり計算がめんどくさくてけっこう時間かかっちゃったな・・・。
このような問題はいかに時間をかけずに正解するかがとても重要になってきます。
たとえば3時間かけて全問正解するより、50分で8割正解できる方が受験では有利になります。
そのため、できる限りめんどうな計算をしないで、計算するクセをつけていきましょう。